検定試験の総括と全体講評

第3回 Advancedコース治験実務英語検定の総括と講評

全体総評

Advanced コースはリスニング、読解、英訳の3技能を対象にした検定試験です。Basicコースに比べ難しい試験ですが合格する方も毎年出ており、取り組み方次第で合格に近づくことができます。合格された方々の傾向を見てみますと、リスニング、読解、英訳のそれぞれで一定以上の点数を獲得されていました。検定に合格するには、バランスよく3技能を習得しておく必要があります。
また、課題数が多いため、答案作成時には時間配分に注意し、すべての課題に解答できるよう、スピーディに進めていく必要があります。長文英訳では試験時間内に一部の課題しか解答に着手できていない方が多くいらっしゃり、得点率が他の課題と比べて著しく低くなってしまったことから、結果として今回の合否を分けるポイントとなりました。時間内に多くの課題に取り組むためには、業務で頻出する表現は辞書や参考書を見ずに英文を書けるようにしておく必要があります。
採点時には、日本語の出題内容をよく理解し、それを英文で過不足なくきちんと伝えられているかの判断に重点を置いています。なお、表現の自然さを考えた上での意訳などは減点対象にしていません。
リスニングでは優秀な成績を修めた方が多くいらっしゃいましたが、英文和訳および英訳課題では点数が伸び悩んだ方が散見されました。英訳課題の配点が高くなっていますので、英文を書く技能(ライティング力)をしっかりと習得できていないと合格するのは難しいでしょう。
例えば今回の英訳課題では、頻出表現や動詞のニュアンスの理解、正しい前置詞の選択、時制の意識等の基本的な事項において誤りが散見されました。ひとつひとつは小さな誤りでも、積み重なると読み手が情報を読み取れない可能性があります。また、文を読むリズムが悪くなり、読みにくい文章となります。
語学習得は日々の積み重ねが重要になります。英文を発想する力を養い、また、学習したことを業務などで繰り返し使用することで身につけることができます。業務であまり使うことがない方々は、英訳を添削してくれる講座や英語を話す講座を受講する、同僚や友人と英語でコミュニケーションを取る場を設けるなど、英語に触れる機会を少しでも多くつくるようにしましょう。

リスニング(出題数:14、得点率:82.4%)

リスニングは投薬の指示や2者間の会話などの聞き取りを出題しました。
状況をきちんと聞き取り、適切に解答できている方が多くいらっしゃいました。
ただし、聞き取る内容が複雑な課題の正答率は低くなっていました。ある程度長さのある音声で複雑な内容の説明に慣れておく必要があります。

読解(出題数:2、得点率:66.5%)

読解では、英文和訳課題と選択肢から正解を選ぶ課題の2パターンを出題しました。
英文和訳課題では単語を誤解していたり、文法理解が不十分なために係り受けを誤ったりしていると思われる点がありました。英文で書かれた情報を抜け漏れなく日本語で表現できるようにしましょう。
選択肢から正解を選ぶ課題では、英語の長文を限られた時間内で読み取り、設問に答える必要がありました。日頃から英文に慣れ、読解の速度を上げるなどして、長文課題への対応力を高めておく必要があります。

短文英訳(出題数:15、得点率:70.2%)

1文もしくは2文程度の日本語を英訳する課題を出題しました。1つの課題にかけられる時間が限られた中できちんと英訳できるかを問う課題でした。
課題ごとに見ていくと、若干の誤りなどはありましたが、日本語で書かれた状況を読み手に誤解を与えない英文で書けている方が多くいらっしゃいました。
業務で頻出する表現を中心に出題しましたので、よく用いる表現は復習して身につけておきましょう。時間内で課題を終わらせるには、それぞれの場面で用いる適切な動詞やその動詞が取りえる構文(自動詞/他動詞用法、that節を取れるか、コロケーションなど)をしっかり習得しておくことが必要になります。

長文英訳(出題数:3、得点率:19.4%)

1つの場面を説明する日本語を英訳する課題を出題しました。ある程度の長さがある文章をきちんと構成し、英文で表現できるかを問う課題でした。
すべての課題に取り組めた方は少数でした。取り組まれた方の多くは全体の構成を把握し、前後関係も意識して英訳できていました。細かい点でミスは見受けられましたが、情報の伝達は十分に行えていました。
短文とは異なり、長文では1文ごとの正確さに加え、前後関係を考えて英訳する必要があります。論理展開がしっかりとできているか考えながら英訳できるようにしましょう。

英訳問題での特徴的な誤りをいくつか紹介します。
  • 有害事象では「重篤」はserious、「重度」はsevereと明確に区別しなければなりません。
  • 「投与する」を表す動詞はadministrate ではなく、administerを用います。
  • 主語のない不完全な文がありました。原則、英語は主語と述語から始める事をしっかりと覚えておきましょう。
  • 可算名詞に冠詞がついていないケースがありました。CRAやCRCなどの略語であっても冠詞は必要です。状況に応じて、a/anやtheをつけましょう。
  • 月、日などにつける前置詞に誤りが散見されました(例:at [時間]、on [日付]、in [月]、in [年])。

第2回 Basicコース治験実務英語検定の総括と講評

全体総評

本Basicコースはライティングおよび読解の2技能を対象にした検定試験です。治験実務で用いられる英語の基礎をきちんと理解しているかを問う試験となっています。設問はすべて選択式で出題します。
合格者された方々の傾向を見てみますと、ライティング技能を測る単語補充、並び替え、文章補充、および読解のそれぞれで7割以上を正解されていました。試験に合格するには、英語の基礎を習得し、治験分野の英語に慣れておく必要があります。
本検定はCRAやCRCの方々が業務で扱う様々な場面での英語の使用を想定し出題しています。一部課題はCRAもしくはCRCいずれかの業務で扱う場面から出題しています(例:CRA向け:モニタリング報告書)。
1時間という限られた時間内で様々な課題に取り組む必要があるため、設問を的確かつ迅速に読み解き正解を導く必要があります。文法事項などを調べる時間はあまりありません。基本的な英文法や英語構文などはきちんと習得をしておく必要があります。例えば、今回の単語補充課題では、コロケーションを問う設問がいくつかありましたが、多くの方が不正解となっていました。単語と単語の組み合わせをしっかりと覚えておく必要があります。業務でよく用いる日本語表現は、対応する英語表現を覚えておきましょう。
語学習得は日々学習を継続することが大切です。治験分野以外でも、ご自身が興味のあるテーマや趣味などで、英文で書かれているウェブサイトや雑誌に挑戦してみてはいかがでしょうか。

単語補充(出題数:12、得点率:74.7%)

選択肢から1語ないしは数語の英単語を括弧に補い、文を完成させる課題を出題しました。
選択肢には、動詞や名詞、形容詞、前置詞などがあります。動詞では、自動詞と他動詞を区別したり、前置詞とのコロケーションや動詞の活用を判断したりする必要があります。括弧の前後関係などをすばやく読み解き、正解を導く練習をしましょう。

並び替え(出題数:9、得点率:72.6%)

日本語課題文1文程度に対し、英単語の選択肢を並び替えて英訳する課題を出題しました。英文を構成する力が試される課題で、英語の基本5文型をしっかりと理解できていれば正解を導くことができる設問です。
関係詞を用いて複文を組みたてる設問がありましたが、他の設問に比べて正解率が低くなっていました。構成が複雑になると前後関係や文全体をきちんと把握していないと正解を導くことが難しくなります。様々な構文に慣れ、文章全体の構成に注意してライティング技能を向上させましょう。

文章補充(出題数:9、得点率:73.4%)

日本語課題文1文程度に対し、内容を過不足なく説明している英文を選択する課題を出題しました。単語の意味や動詞、接続詞の用法などを問う設問ですので、総合的に英語を理解しておく必要があります。
日本語の文章に適切に対応する副詞句を含んだ英文を選択する設問がありましたが、他の設問に比べて正解率が低くなっていました。各選択肢中の前置詞や助動詞などの意味をきちんと理解し、適切な意味の英文を選ぶ必要がありました。限られた時間内で英文を読解できるよう英文読解に慣れておきましょう。
また、英文の組み立ての正しさを問う設問などもありますので、ライティング能力も必須となります。

読解(出題数:5、得点率:80.1%)

いくつかの英文センテンスで構成された課題文を読解し、内容を理解しているか選択肢から正解を選ぶ課題を出題しました。
限られた時間内で課題に取り組む必要があり、英文で書かれた内容を短時間で読み解く必要があります。課題文はそれほど難しい内容ではありませんので、治験分野の英文読解に慣れていれば正解を導くことができる設問です。

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