Japan CRO Association Annual Report 2022
3/36

Japan CRO Association Annual Report 2022日本CRO協会 会長 当協会は今後も臨床試験のプロセスに関連する企業のリード役として、「Reactive」から「Proactive」に変化し、業務の効率や品質向上に対する様々な提案をスポンサー、医療機関や行政などに行い、更なる医薬品・医療機器開発、製造販売後調査支援業務の推進に貢献できればと考えております。 一方で、我々CROは業務委託を受けているとはいえ、第三者的立場で仕事に取り組むことができる立場にあり、CROが高い倫理観をもち、コンプライアンスを遵守することが重要であります。 このような環境のもと、当協会は「変革への対応・貢献」として現在「人材育成」、「治験・臨床研究の効率化と行政・業界団体との連携」、「デジタル化への対応」、「コンプライアンスの徹底」、「情報発信の強化」の五つを重点課題として取り上げ、具体的な活動を進めていく予定です。 会員一同、日本の臨床試験の活性化に注力し、より良い医薬品、医療機器、再生医療等製品、また治療などを早く患者さんの手元に届けるよう努力してまいりますので、このAnnual Reportをご一読頂き、我々の活動を知って頂き、また皆様のご意見、ご指導を賜れれば有難く存じます。 どうぞよろしくお願い申し上げます。Annual Report発刊に際し一言ご挨拶申し上げます。 日頃は皆様には日本CRO協会の活動に対しご協力、ご支援頂き誠に有難うございます。 当協会は1994年に設立、28年目を迎えることになりました。設立後の最初の10年はCROの存在価値を示すための認知度向上、次の10年は人材育成など主とした品質向上の10年でしたが、現在は臨床試験の効率化、変革への対応の10年であり、業界発展のために様々な活動をしております。お陰様で、今では医薬品のみならず、医療機器、臨床研究、再生医療関連業務やそれに伴うIT関連業務等、業務の幅も広がり、臨床試験のプロセスにはなくてはならない存在となるまでに成長してまいりました。これも、ひとえに協会内外の皆様方におけるご支援のお陰と感謝しております。 上記のような歴史の中で、今まで協会員は様々な活動を行い、その成果などを発表してまいりましたが、まだまだ協会活動が広く内外に伝わっていないという声をお聞きし、協会としてAnnual Reportを発刊することを決定し、政策委員会、情報戦略委員会の協力のもと、この度、第1号を発刊いたしました。このAnnual Reportを通し、協会内外の皆様のみならず、学生さんにも協会の活動を広く知って頂き、CRO及びCRO協会への認知度を益々高めていきたいと思っております。 近年はQMS導入によるICHの改定、コロナ禍で促進されたデジタル化、患者さんの臨床試験への関与、DCTを含めたオンライン治験の導入、RWDの利用、臨床研究法の制定など臨床試験の環境は急激に大きく変わり、CROは旧来の業務単独では成り立たなくなり、業務範囲の拡大とともに様々なステークホルダーとの協業が求められ、特にテクノロジーとの結びつきが必須となっています。 今後の臨床試験は多種多様な手法、テクノロジーを導入し、それらを最適に組み合わせていくことが必要となり、国内の治験が、世界に乗り遅れることがないよう製薬/CRO、テクノロジー側ばかりでなく医療機関の皆様とも一丸となって、現状の課題、問題を解決することが必要になってきています。 また、製薬企業全体で開発のパイプラインが生活習慣病からアンメットメディカルニーズの開発に向けられたことから、臨床試験がより複雑化、多様化してきており、CROはよりプロセスの専門性を高めることが求められております。3植松 尚会長メッセージ

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る