Japan CRO Association Annual Report 2022
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◇本座談会は、会場のドアを開けて換気し、写真撮影の際以外はマスクを着用するなど、新型コロナウイルス感染症対策に配慮した上で開催しております。特別座談会エイツーヘルスケア株式会社IQVIAサービシーズジャパン株式会社井上 和紀稲留 由美一般社団法人 日本CRO協会会長植松 尚パレクセル・インターナショナル株式会社青山 涼子イーピーエス株式会社江川 祐紀できているか、それを試験開始までに確認してからSDVを開始するようになるんだという概念を、集合研修やe-Leaningで啓発することから始めました。それを1回では全員には浸透しませんので、毎年ことあるごとにトレーニングを実施。実際にモニタリングプランやプロトコールにも反映されて、2、3年前からやっと現場のCRAが実感するようになってきた感じではあるかなと思います。井上:弊社では、2017年にISO 9000/9001 QMS認証を取得しているため、ICH-E6(R2)に適用できるようQMSガイダンスを改訂しました。その改訂内容を基本に組織レベルのQMS、プロジェクトレベルのQMSに整理した上でQMS概念の全社研修を進めてきました。また、新卒採用者には、入社時研修とフォローアップ研修を初年度に実施し、基本知識としてQMS概念の理解を深めるようにしてきています。QMS概念を理解することで臨床試験におけるプロセスアプローチが適切に実施できるように考えています。4出口管理からプロセス管理へ転換するに当たっての教育体制について植松会長:今日はアニュアルレポート座談会にお集まりいただきありがとうございます。臨床試験に長く携わってこられた皆様とともに、仕事の現場で感じていることや考えていることについて自由に語リ合いたいと思っています。江川:臨床試験で進行する出口管理からプロセス管理への流れに伴い、臨床試験の現場ではどんな教育体制を敷いているのか。まずはその辺りからお聞きしてもよろしいでしょうか。青山:RBM(=リスクベースドモニタリング)という言葉が出回ってきたのが、たぶん3〜5年ぐらい前でしょうか。当初は、CRAの現場で「どうやら、モニタリングの件数や訪問回数が減るんだな」という程度の認識しかなかったですね。弊社では、リスクベースドというのは訪問回数が減るだけではなく、施設のプロセスがちゃんと業界で活躍するCRO協会メンバーを招集し、座談会を開催しました。テーマは、GCPリノベーションの一要素である「プロセス管理」について。より良い臨床試験を行うためにCRO協会が今後果たすべき役割や貢献、目指すべき姿など、有意義な意見が飛び交った様子をレポートします。臨床試験環境の変化に対応し、わが国の医薬品開発の発展に貢献するCRO協会

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