Japan CRO Association Annual Report 2022
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特別座談会いうのも現実です。その点、CRO協会の強みはテクノロジーの会社さんが数多く入ってきているので、一緒になって何かいろんなことをモデル化したり、ベストプラクティスはどうだったかとか、そういうようなものを作っていければいいのかなと。今の時代は情報の時代なので、テクノロジーを通じて情報をどう集めてどう生かしていくのかというところも含めて、協会のできることは多いと思います。すでに、CRO協会の事業検討委員会やワーキンググループでは、自分たちの考えたテーマに基づいて多様かつ先進的な取り組みを続けていて、その成果を今後は内部だけではなくて外部向けにも発信をしていくつもりです。稲留:例えば、eClinicalソリューションについてもCRO協会は結構先進的だなと思いますね。ベンダーと一緒に考えていこうというのが、CRO協会における取り組みの優れた部分で、CRAの知識やスキル不足、トラブル面などでまだ壁があるテクノロジーについても、オープンイノベーションにより現場への導入を今後さらに推進していけると思います。江川:ステークホルダーとのコラボレーションでいえば、CRO協会では臨床試験の受託という意味では兄弟関係にあるといえるSMO協会との連携も考えているそうですね。植松会長:CRO協会としてはいろいろな活動をやっていると先ほどお話ししましたが、日本製薬工業協会とSMO協会との間ではデータインテグリティ宣言をつくりました。やはり、1つの団体だけで何かをしても意味がありません。多様な力を結集することが重要です。江川:今回の座談会のテーマであるプロセス管理の構築についても、CRCとCRA間の協力関係が必要で、そのリード役をCRO協会がSMO協会などとタッグを組んで担っていきたいですね。やはり、協力し合うということが根本にないと何も上手くいかないですから。植松会長:私は、CRO協会のことを臨床試験のプロセスのハブと言っています。CRO協会が中心となって医療機関や製薬会社、テクノロジーの会社ともコミュニケーションをとり、協力関係を広めていくというのがCRO協会の仕事なのかなというように思います。そのためには、もっと様々な治験関連者を巻き込んで、いろいろな活動につなげていく。ある意味、連携や協業といったオペレーションは、CRO中心だというようになっていきたいですね。井上:さらに言うと、CRO協会はグローバル競争に勝てる視野をもつことも大切ですね。個々の会社が今までやってきた取り組みを協会に持ち寄り、それにより世界で戦えるようになるというようなイメージでしょうか。江川:グローバルに勝てるような日本の治験体制をつくっていくには、グローバルのまねだけでは難しいので、日本の今ある環境の中で協力し合う。お互いがそういう共通認識のもとで考えていけば、アイディアを出し合って改善できるところはたくさんあるはずです。植松会長:日本も、国際協調をしながら各治験関連者の意見を聞いて国内事情に合ったプロセスを作っていけるような形にできればいいですね。そのためのハブとしてCRO協会が機能していければと思います。7

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