Japan CRO Association Annual Report 2025Drug Lossの解消に向けて本日は、日本CRO協会のアニュアルレポートをご覧いただき、誠にありがとうございます。本協会は1994年の設立以来、臨床試験(治験)に関わるさまざまな業務を支援する企業からなる団体として活動してまいりました。会員相互の連携をもとに、CROの適正な確立、定着、発展に努め、昨年、創立30周年を迎えることができました。これもひとえに皆さまのご支援、ご鞭撻のおかげであり、心より感謝申し上げます。医療の進歩とともに、日本のCRO業界も順調に成長してまいりましたが、近年、業界を取り巻く環境に変化が認められるようになってまいりました。特に、新医薬品開発は、グローバル化の流れの中で、変革期を迎えており、日本はその変化への適応が遅れ、Drug Lossの問題が顕在化しています。この問題の解決は急務であり、この場を借りて、日本CRO協会の未来への方向性を共有させていただきます。医薬品開発の現場は絶えず進化しており、CROとして私たちは、これまで培ってきた専門性を活かし、国際標準に迅速に対応することで、さらに強化された開発能力を確立することが求められています。多様化するニーズに的確に応えることで、日本の医薬品開発環境のさらなる進化に貢献してまいります現在、新薬の多くが海外のEmerging Biopharma(EBP)によって生み出されていますが、日本の治験環境は諸外国と比較して改善の余地があります。そのため、国を挙げた治験環境の改善に向けた取り組みが進められています。私たちもこの流れに沿って、各種課題の解決に取り組み、EBPだけでなく国内外の製薬企業にとっても、日本で治験を実施する魅力的な選択肢を提供できるよう努めてまいります。治験環境が改善されれば、日本のDrug Lossの解消にもつながるでしょう。これらの取り組みの成功には、会員企業はもちろん、製薬企業や医療機関を含むすべての関係者のご理解とご協力が不可欠です。今後とも、皆さまからの変わらぬ支援をこころよりお願い申し上げます。日本CRO協会 会長3会長メッセージ藤枝 徹
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