Japan CRO Association Annual Report 2025
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ecial InterviewpS5  早期導入が期待されている  治験エコシステムポイントが同じかという点が、いわゆるOver Qualityと指摘されるところにつながっていると思います。関係者間で認識の共通化を図れるよう、協会の皆様と今まで以上に連携していけたらと考えております。どんどんOver Qualityに走る傾向が強まったように思います。今後は「考えるGCP」によって、少し変わってくるのかもしれませんね。と思われている節もあります。あると思います。ただ、作業効率化と透明性の向上により試験数しています。治験依頼者の多くは、いまや海外の新興バイオ医薬品多くの治験が日本に来ることが期待できるため、協会としても積極的ところで、エコシステム導入推進事業を信頼性保証部が行われることになった背景には、何か理由があるのでしょうか。れてきた指摘事項や改善点が、信頼性保証部がすが、信頼性保証部のみならず、よりよい治験環境を創出し、医薬品開発を活性化すべく、PMDAがも高いといわれていますが、原因はどこにあるとでは?」と想像して作業が増えていくところもあるの藤枝:確かに、GCPができて信頼性保証という考え方が浸透してきた頃は、調査の方から細かい指摘事項が入り、それに対応するために藤枝:一方で、治験エコシステム導入推進事業は、CROにとっても非常に重要な取り組みです。ただ、エコ化が進めば作業工数が減り売上減少につながるため、CROとしてはエコ化に躊躇があるのでは、佐藤:個人的には、一試験あたりの工数が減る可能性は確かに自体を増やせれば、トータルの工数は維持または増加できるというのがPMDAの見解でもあり、政府全体の意向とも一致しております。藤枝:協会としても、仕事が減るからエコ化反対というのはタブーと企業であり、効率よく治験ができる国を選びます。エコ化が進まなければ、日本には治験が来なくなってしまう。逆にエコ化が進めば、よりに取り組んでいます。佐藤:そうですね、理由としては、これまで挙げら所掌する範囲に多いからではないかと考えていま一丸となって取り組む形になっているところです。藤枝:日本の治験は海外に比べ工数も多く、コストお考えですか。佐藤:先程のお話にもありましたが、確認不足のまま想像で仕事を増やしている、「PMDAがこう言うのではないかと思います。その一因としては、以前はお願いしていたことでも、効率化や社会の動きを鑑みて、我々の調査が変わっていることを、私どもがうまく伝えきれていないのではと感じています。ですので、個別の品目を挟んだ形ではなく、治験に関わる皆様とPMDAが普段からもっと意見交換や認識の共有ができれば、その事例も減っていく気がしております。藤枝:実は国際共同治験では、「もし、こういう事態が起こったらどうすれば?」という質問が、日本は全世界で突出して多いようです。結局、そこに膨大な工数をかけてしまい、うまくエコにつながっていかないところはありますね。この治験エコシステム導入推進事業を進めていく上では、どのような点に気をつけていらっしゃいますか。佐藤:留意している点としては、マルチステークホルダーの観点です。今までも何か環境を変えるときには、まず治験依頼者となる企業と私どもがコミュニケーションをとっています。しかしながら、企業と行政だけで話し合っても、関係者すべてを包含しているとは言えず、限界がある。ですので、治験エコシステム導入推進事業の成果報告会には、貴協会にもご参加いただきましたが、本年度、事業を続けていく際にも貴協会を含め、関係者にご参加いただきたいと思っています。臨床試験にかかわるあらゆる方々が、それぞれの立場から主体的に行動できることを重視しています。藤枝:もうひとつ、現在のSingle IRBという構想は、医療機関にとってかなり抵抗があるのではという気がしています。GCPでも、「当該治験が当該実施医療機関において行うのに適切であるか」を審査することが求められていますし、このあたりについてはいかがでしょうか。佐藤:おっしゃる通り、GCP省令の第30条には「当該実施医療機関において治験を行うことの適否について、あらかじめ…」と記載されています。ただ現実問題、IRBの審査が何ヵ月待ちとか、臨床試験開始の

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