7 従来の方法や前例にとらわれず常に原点に立ち返って考え「あるべき姿」を追求してほしい GCPリノベーションとともに 「考えるGCP」へには、行政から押し付ける形ではなく、一緒と思います。今回の推進事業において、医療機関のこれまで何十年も議論しているのに、おそらく何も変えられずに目標に向け、各々が自分ごととして取り組む必要があります。その土俵として、本事業を活用していただければと考えています。ありませんでした。今回、国として国際共同治験の初回届出数を100から150に増やすという具体的な目標が出ていますので、医療機関も含め協力する必要があると考えています。日本におけるGCPが大きく変わると理解しています。今後の改定スケジュールが気になるところです。でしょうか。R2の段階で記載されたリスクベースの考え方が、十分にやっていくか、いかに実務を根付かせていくかが、今回の最も重要なしていくのか。5、6年くらい現場経験を積んでいれば、ある程度自分ように」と指示しても少し難しい気もします。審査側において「考えるGCP」をどのように捉えられていますか。しまう。個人的な案ですが、CRAさんだけではなく行政や治験依頼者など、異なる立場で臨床試験に関わる人たちが一緒にケーススタディを学ぶ場を設ける、そういうグループワークがひとつの有効な方法だ佐藤:声掛けは良いと思いますが、個人的に作り上げていくアプローチが重要ではないか先生方にお声掛けした際に「どうせまた議論だけで何も変わらないでしょう」とおっしゃる方もいました。今日に至っている状況と認識されているのかと思います。政府全体の動きもありますし、今度こそ、ドラッグ・ロス/ラグ解消という大きな藤枝:Single IRBの話題は10年前から出ているものの、あまり進展が藤枝:GCPリノベーションといいますか、いわゆるE6のR3によって佐藤:そうですね、実際には翻訳作業や既存の規制との調整も必要ですので、導入に際して約1年は準備期間が必要になるのではない環境に馴染む前にR3になっています。ですのでリスクベースで何を課題だと思います。藤枝:従来のチェックリスト的なGCPから「考えるGCP」への移行は、非常に共感できる部分があります。ただその言葉自体が曖昧になりやすく、難しい点もあります。例えば新卒・未経験者の方々をどう教育で考えられると思いますが、経験がほとんどないCRAに「考えてやる佐藤:やはり事例を研究することが重要だと思います。GCPの省令や規則について学ぶだけでは行動に結びつかず、覚えるばかりになってと思います。また、医療機関のCRCさんにPMDAへ2〜3年出向していただき、実地調査のポイントや考え方などを学んでいただくような相互理解の機会が重要ではないかと考えています。藤枝:ケーススタディで難しいと感じる点として、CROの場合、依頼者から受託するという性質上、依頼者の方から何か言われたらそれがすべてとなり、そこで考えが止まってしまう。医療機関でこれがなぜ必要なのか問われると、「そういう風に書いています」「依頼者が言っています」としか回答できず、それはやはり「考えるGCP」と違うのではと感じています。佐藤:そうですね、そこは確かに委託側と受託側かもしれませんが、あくまでビジネスの観点では、対等な立場で契約を結んで業務を行っているわけです。CRO・CRAさんからも対等に問い合わせや提案ができる形になる必要があるかなと思います。藤枝:ありがとうございます。佐藤さんは、これまで審査センターやPMDAで薬事行政に携わられて、日本の治験や医薬品開発というものを最も身近にご覧になられてきたと思います。ここ20年ほどで、かなり変化しているように思いますが、どのようにお感じになっていますか。佐藤:昔に比べると変化が大きい、特に科学性や透明性が非常に高まってきているのではと感じます。また、関わる人数や分業がすごく増えました。昔はモニターが各企業に所属し全国を飛び回って
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